開裂 2020 7 5

書名 日経サイエンス 2020 08
出版社 日経サイエンス社

「解明進む 新型コロナウイルス」
 私にとっては、実に楽しい雑誌であり、
つい、特集とは関係ないところを熟読してしまい、
肝心の新型コロナウイルスの記事を読み忘れるところでした。
 気温が上がって暑くなると、やる気がなくなるので、
分厚い本ではなく、気楽に読める「日経サイエンス」になってしまいます。
人間というものは、やはり楽なほうに流されてしまいます。
 前置きが長くなりました。
新型コロナウイルスの感染の図解には、
ウイルス本体から出ている「触手」(ステムとスパイク)が、
肺細胞の表面にある「ACE2受容体」に結合されている図がありますが、
実は、これだけでは感染しないのです。
 「触手」は、なんだか、私が好きなブロッコリーの形に似ていますが、
軸のところが「ステム」であり、傘のところが「スパイク」です。
 日経サイエンスの図解によると、
この「スパイク」が、肺細胞の「ACE2受容体」と結合しますが、
その時、肺細胞にあるプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)が、
スパイクの頭部を切り落とすのです。
 そうすると、ウイルスが細胞に入り込むための融合機構が始動するのです。
これで、折りたたまれていた融合機構が展開して、
先端部分が肺の細胞膜まで伸びて、細胞膜を貫通して、
さらに細胞膜を引き寄せて、ウイルスの膜と接合させるのです。
 そうすると、膜が融合して流路が開いて、
肺細胞の中に、ウイルスの「Nタンパク質」と「RNA」が侵入します。
 こうなっては、何をやっても、「後の祭り」と思えますので、
やはり、対策としては、東京大学医科学研究所の考え方が妥当だと思います。
 つまり、プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)が、
スパイクの頭部を切り落とすことを阻止すればよいのです。
(東京大学医科学研究所 プレスリリース)
https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/page_00060.html

ドラッグリポジショニング 2020 4 26
 ドラッグリポジショニングとは、
安全性が確認された既存の薬から治療薬を探すことです。
 新型コロナウイルスに対する治療薬の開発は、
まだまだ日数が必要なので、
現時点では、ドラッグリポジショニングが必要です。

 東京大学医科学研究所のサイトには、
このような記事がありました。
「新型コロナウイルス感染初期のウイルス侵入過程を阻止、
効率的感染阻害の可能性がある薬剤を同定」
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の
原因ウイルスSARS-CoV-2の感染の最初の段階であるウイルス外膜と、
感染する細胞の細胞膜との融合を阻止することで、
ウイルスの侵入過程を効率的に阻止する可能性がある薬剤として、
ナファモスタット(Nafamostat mesylate、商品名フサン)を同定した。
(中略)
 SARS-CoV-2が人体に感染するには、
細胞の表面に存在する受容体タンパク質(ACE2受容体)に結合したのち、
ウイルス外膜と細胞膜の融合を起こすことが重要である。
 コロナウイルスの場合、Spikeタンパク質(Sタンパク質)が、
ヒト細胞の細胞膜のACE2受容体に結合したあとに、
タンパク質分解酵素であるTMPRSS2で切断され、
Sタンパク質が活性化されることがウイルス外膜と細胞膜との融合には重要である。
(引用、以上)


































































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